2014年7月19日土曜日

他者と親切

ニコ生を見ていたらスパ帝がダイ大のアバンとバランを比較して、

「社交性のある奴は人間に対してある種の諦観を持っており、逆に社交性の無い奴は相手を変えようと足掻き絶望して最終的に引きこもりになった奴。」

といった風に総括して「だから俺は前者になろうって思った」とかって述べておりまして、これが非常に面白いお話だったのでちょこっと書きます。

叩き台になるのは山本七平の『比較文化論の試み』ですね。





ちょこっと該当部分を抜粋しますとですね、


したがって、ひとりよがりで同情心が無いということになりますが、これが非常に面白いことに、一見同情心に見えるものもあるわけです。その一例として、私の恩師ですが、塚本虎二先生が「日本人の親切」って面白い話をしておられるんです。
(中略)この先生が若い頃下宿していた家のご老人は非常に親切な方で、ヒヨコを飼っていたのですが、冬あまりに寒かろうといってお湯を飲ませたところがみんな死んでしまったという。先生は「君、笑ってはいけない。これが日本人の親切だ」、といっておられますが、これがですね、まさに日本的な親切なんです。ひとりよがりなんですね。 
 (『比較文化論の試み』p20より抜粋)

スパ帝はアバンの他者に対する態度を指して「人間に対する諦観」と述べておりまして、この感想は我々日本人からすると「ですよねー」という共感以外の何者も生じ得ない感覚ですが、これはある程度見方を変えると全く別の結論に達するわけですよ。

つまり"諦観"という言葉の持つ負のイメージとは裏腹に、その相手に対する尊重こそが普遍的な親切なんでないの?と山本七生は述べているわけです。

バランは「人間は良いものなんだ!」と信じて正しく変えようと足掻きますが最終的には絶望してアルキードを滅亡させるわけです。でもそれってただ勝手に喚いて、勝手に絶望しただけじゃんというような理屈ですね。バランの思考には他者が存在しないというわけです。

まぁ私がダイ大読んだのなんてン十年前ですからパリっと「こうだ!」とは言えないわけですが、この山本七生の理屈は非常に説得力があるなぁと思ったわけです。また"諦観"というある意味負の側面を持った単語を使う辺りやっぱりスパ帝も私とおんなじ日本人なんだなぁと。そう思ったのですね。

スパ帝の文章やら発言を追っていていつからかコスモポリタンな知識人という印象を持っていたので、価値観のベースに日本人らしい感性の発露が見て取れたのが何か本当に意外で…ちょろっと記事書いてみようと思った次第です。

2014年7月14日月曜日

野々村議員とかいうネタ人間が話題ですけれども

野々村議員本人に関しては、


「ハハッ、ワロス。


程度の感想しか無いのですけれども、どうにかならんもんかなぁとも思いますね。

既定路線として人口減少に伴い国政レベルでも地方行政レベルでも議員や職員の総数って削減されるのでしょうという辺りは所与として、問題は待遇であり線引なんだろうなぁと。

どの辺の線引かと申しますと要するに、


"出馬のリスクに見合わない所得しか得られないから架空の政務活動費を請求する"


のか、


"十分な所得を得ているが更に資産を積み増したいから架空の政務活動費を請求する"


のか、私には分からないのですよ。

まぁ本件に限ってみれば"架空"なんでもうそりゃアウトでしょってなもんですが、こういうお話って収入ばかり俎上に登って支出の件は議論されないのですよね。

世の中なんか「叩けば埃は出るべぇな」みたいな風潮になっており、今全国の功名心あふるる記者達は血眼になって地方議員の経費を洗っているのでしょうけれども、そもそも十分な所得があるなら誰も架空請求なんてしないと思うのですよ。だってリスクの方が大きいじゃん。

まぁ昔某北の大地で助役やってた親戚のおっちゃんが、


「あの人(首長)放っとくと何しでかすか分かんねぇ」


とか愚痴ってた記憶もありますので、リスクを認識できてない場合ってのも儘あるようですがw

まぁそれはそれとし給与が妥当かそうでないかというのは貸方と借方見比べてムムムとするしかないわけで、何が言いたいかというとマスコミ各社さんはそもそも議員の支出がどんな水準なのか明らかにしてから報道してくださいねって思いますね。

少なくともググったらすぐ出てくるようにはしていただきたいです(怠け者)。

2014年6月17日火曜日

麻生さんその解説はダメなんじゃないかな…

政治家がポジショントークをするのは振る舞いとしては間違ってないのですが、鵜呑みにする方もどうかしてる気がします。


麻生太郎氏による「日本の借金」の解説が超わかりやすい! 「経済をわかってない奴が煽っているだけ」

それと、当然円で賄われているから、いざ満期になったときどうすればいいかって、日本政府がやっているんですから、日本政府が印刷して返すだけでしょうが。だって日本円なんだから。簡単なことだろうが。外国に返すんだったら、そりゃドルに替えにゃいかんよ、ユーロに替えにゃいかん。ギリシャはみんなそうです。(日本は)全然違います。だから返さなくていい。


いやおかしいだろ。

恐らくテクニカルに、意図して騙しに行っているのだと思うのだけど、これ日銀と日本国政府を意図的に混同してます。

現代において紙幣を刷るのは中央銀行の仕事です。そして中央銀行は政府から独立した存在であります

この辺り歴史的な経緯を大雑把に纏めると信用を担保するために中央銀行を政府から切り離すのです。

今やってる量的緩和ですが、これは日銀の行為であり政府の行為ではありません。つまりボリュームが増えたのは日銀の貸借対照表であり、日本国政府の貸借対照表ではありません

早い話が日本国政府が赤字国債を補填するためには赤字国債を発行するか税収を上げるしか無いのです。だって貸借対照表上の貸方と借方は一致してなきゃいけないのだから。

で、麻生さんは『日本政府が印刷して返すだけでしょうが』と仰ってますけれども、日本銀行券を発行するのは日銀ですから、政府の貸借対照表とは全く関係ありません

ですから、繰り返しますが日本国政府がその借金を返済するためには赤字国債で補填するか税収を上げるかの二択しか無いのです

今FRBや日銀でやってる量的緩和も原則的には決して良いことではありませんけれども、ありゃあくまで日銀(中央銀行)が金融機関から資産(債券)を買い入れる行為であり、政府がどうこうしてるわけじゃありません

麻生さんはこの方面のリテラシーが非常に高い方だと勝手に思っているのでこの辺り混同しているとは考えにくいですし、となればこの発言は意図的に仕込まれた嘘、つまりポジショントークの一環です

前段で述べておられる「国民は預金を通して間接的に国債を買っている」というロジックがまちがっていないだけに尚更分かりにくい嘘に仕上がってますね。


というか誰も彼も別に早晩ギリシャになるとは言ってなくて、

「今の中高年が居なくなって預金の総量と税収が減った時にどうすんの?」

ってハナシをしているわけですよね。このテの議論は。

この辺り私なんかは

「金融機関の入札だけで将来も安定して国債を消化できるって自信があるなら個人向け国債なんて作らねぇんじゃねぇの?」

とか思っちゃいます。穿った見方ですけど。

2014年6月1日日曜日

グラフで見るバブル崩壊後の製造業

GNPの統計も探してくるべきだったと後悔したけど、まぁ折角作ってみたので貼る。因みに内閣府のページ行ったら統計貰える。産業別のが欲しければなんかgoogle先生に訊いてみるといい。誘導してくれるから。

http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/menu.html


先ず、製造業の1994-2012年の前年比増減率で見てみる


これ全部前年比なんで、リーマン・ショックでガックン落ち込んだのが翌年ガッツリ盛り返したりってのがよく分かる。


で、お次は1995年度の産業別内訳。


大体比で見ると製造業が3%ほどサービス業より大きい感じ。で、次に大きいのが卸売業。また情報通信産業はこの時点では3.5%に過ぎない。また自民党パワーなのか建設業は全体の9.4%、金融業は8.4%を占めてる。







今度は2012年度の内訳。



やっぱり一番大きいのが製造業で、次いでサービス業、卸売業が追う展開。一番伸びてるのが情報通信産業で、2012年度はGDP全体の6.5%にまで拡大してる。約1.8倍になってる。ついでに建設業は5.8%まで縮小。加えてなんだか普通に生活してる分には金融業が活況という気もするけど、GDPで見ると寧ろ縮小してる。前年比で経年の増減見ても基本的には減少トレンド。だから個人投資を増やしましょうって政策を打つわけだ。



で、ふわっと言うと確かに足元で産業の空洞化は進んでるのかもしれないけど、未だに製造業は結構強いわけだ。やっぱり実際製造業に行った人達に聞くと「いやだいぶ前からガンガンオフショアしてるよー」みたいなお話も聴くわけで、ものづくり日本のイメージが現実にどこまで有効かは分からないけど、とりあえずGDPで見る限りこんな感じになってる。

で、なんかこの辺りもう少しさ、経団連の企業内訳なんかも含めてもう少しお勉強できたらなと思う。なんでAmazonさんはもっとこの辺の関連書籍kindleに上げちくり〜。マクロ経済史みたいなところに言及する書籍って全然置いてないんだよなぁ。

2014年5月30日金曜日

「高速道路を無料化します」とか言い始めたのって小泉政権じゃねぇの?


高速道の有料期間、15年間延長 改正法が成立(日経)


この件で民主党政権を責めてる人居るけどそれ違わね?


いや確かに実験的に一部無料化されたのは民主党政権時だったけどさ、そもそも論としてフリーウェイやら持ち出して「将来的に無料化します!」とか言って人気取りしたのは道路公団民営化の時じゃんって話。で、民営化を推進して現在の機構を作り上げたのは自民党です


この辺り僕が大学時代に選択してた交通論の熱血教授が烈火の如く怒っていたのでなんとなく憶えてるんですわ。「こんな馬鹿馬鹿しい話はない!」みたいな。あ、ちなみに期末テストで自己評価の項目があって、「自分は不出来だったと思います」って内容を正直に書いたら単位くれた昔気質の教授でした(出席日数は足りてたよ!)。


つか普通に考えて無料で提供されるインフラなんてのはあり得ないわけで、何処かで収支が均衡してなきゃならないわけです。件のフリーウェイだって結局整備のやら保守やらの財源は道路利用者税という形で徴収してますし、近年は受益者負担という形での見直し機運が高まってます。(『米国の道路財源政策-租税から通行料金へ-』古川浩太郎)


ただ「やっぱり道路は無料でなくちゃ。」ってことで無料化する方向でお話が進んでいく。当時は新自由主義的と言いますかなんでも民営化の時代でしたから、じゃあ道路公団も民営化して業務を合理化しましょうってお話になったのです。


ですから、「道路公団を民営化しましょう」っていうのは野放図な高速道路延長計画を見直して無駄無く道路の補修・管理をやっていける土台を作りましょうねってお話だったんですよ、国民にとっては。ほんで道路公団民営化推進委員会(松田案)はそういった視点に立った提案をするわけです。でも、通らなかった。どうなったかと言うと完全な骨抜きですね。この辺りは地味に櫻井よしこ女史がいいこと書いてます。


「猪瀬直樹氏の“大反論”に反論する,それでも道路公団改革は失敗」


形の上では民営化され、45年期限で償還、無料化されますよ〜とはなってますがこれもハナから無理筋なんです。だって道路会社にインセンティブが働かないんだもん。ダラダラ作っててもお咎めナシ。この辺りは民営化方針決定後の国立国会図書館の刊行物、参議院の国土交通委員会調査室の刊行物と併せて、首相官邸のサイトで公開されてる当時の川本委員(松田案を支持、2003年推進委員を欠席)の資料を読んでいただけるとなんとなく理解できるかと思います。



道路公団民営化のゆくえ―民営化法案の論点―


道路関係四公団民営化の検証


2002.11.12 川本裕子資料



結局民営化のための民営化だったのですよね。其処には国民に対して安心安全な交通インフラを提供しよう、なんて理念は無いです。もう決まっちまった事項ですしこういった議論を今更蒸し返すのもアレですけど、どっかで修正すべきじゃない?って思いますよね。

書評:『イギリス 繁栄のあとさき』(川上稔)

すごく…面白かったです…





初版は1995年だが、2013年の文庫化に際してもほとんど改稿は行われていない。その理由を著者は、


東日本大震災や「フクシマ」はもとより、リーマン・ショックをも未経験の時代に、歴史学の立場からした発言がどこまで有効であったのかを、読者とともに確かめることも、おおいに意味があると思ったからである。


と述べているが、その記述内容が現代においても尚滑らかな切れ味を保持していることを鑑みるに恐らく謙遜である。

本書のハイライトは間違いなく第一章から語られるイギリス繁栄の過程である。マルクスは封建社会から資本主義社会への移行期間の存在を明らかにし、その過程を資本の原始蓄積或いは資本の創世記と表現したが、本書は正にその資本の創世記というものが、とりわけイギリスにおいて、どういった経過を辿ったものであるかを明らかにするものである。

本書においてイギリスの資産階級即ちトーリーとウィッグは等しくジェントルマン階級として扱われる。これは17Cまでの資本家階級は地主にしろ産業資本にしろ、作物や牧草、森林といった天然資源に依存せざるを得ない点で共通の性質を持っていたからだと考えられる。そしてこの総人口の5%に過ぎないジェントルマン達が社会資本の整備から生活習慣の変更までありとあらゆる面で英国を牽引していく。

またしばしば云われる「世界の工場となったイギリスはその後大英帝国として繁栄した」といった誤った言説に対し、工業化が商業革命、農業革命、エネルギー転換という3つの段階を踏んで初めて成立する発展段階であるという反証を豊富な事例を用いて示してくれる。曰く、


イギリスは成功したから帝国になったのではなく、帝国になったから成功したのだ。


ここまで見てきたように発展を牽引してきたジェントルマン達は工業化の前も後も本質的に不労所得を得る資本家である。であるからそのジェントルマンの集う首都ロンドンは、


いわゆる産業革命時代に、ロンドンは、それまで繁栄していた手工業を失い、むしろ「脱工業化」したのである。


故に、


多くの貧民が都会に流れこんだのは、工場労働者を夢見てのことではなく、ひとつは「都会への憧れ」からであり、いまひとつは、事実上の浮浪者として「都市雑業」を求めてのことだった。


この指摘も現代都市の成り立ちにおいて示唆に富んでいると思われる。


また本書は大英帝国の落日についても深く言及(というかこれが本書のテーマである)しており、そちらも十二分に魅力的だ。筆者はイギリス以前のヘゲモニー国家即ちオランダについてその金融資本が本国の衰退後もどれだけ力強く、また次世代のヘゲモニー国家たるイギリスの発展に貢献してきたのかを強調する。加えてイギリスとアメリカ、フランスとオランダ(それに第二次大戦後のアメリカと世界も)の関係を例に取り、その文化即ちライフスタイルの輸出が国家の発展に寄与したと説く。

これを読んでやっと昨今のオタクカルチャー輸出みたいな潮流が何を意味しているのか正確に理解することができた。要するにアレはオタク文化を輸出したいのではなく、オタクのライフスタイルを輸出したいのだ。で、あれば「もう少し気の利いたやり方があるだろう」とか、「世界共通語も土台も持たない日本にはちょっと荷が重くない?(努力に意味が無いとは言ってない)」とか色々言いたいことも出てくる。

丁度今日健康診断諸々受診するついでに平日昼間の中野ブロードウェイに寄り、少しブラブラしてみた。すると丁度『ダイヤのA』の展示イベントが開催されており、アニメの原画やら彩色原画やら等身大キャラクターの絵やらがちょっぴり飾られて、そこに平日昼間にも関わらずかなりの数の女性客が集まり写真を撮ったり物販でグッズを買ったりしていたのを見たけれども、これを海外で同じことやろうというのであればニッチ過ぎてなかなかアレなんじゃないかなぁと。


また今尚見るべきものがる反面、やはり時代を感じる部分もある。代表的なのが国民国家と広域国家連合についての認識だ。


時代は、既に国民国家の枠を超えているのであり、来るべき競争は、より広域の地域間で生じるはずである。(中略)従来のタイプの世界システムは、その存続をやめるのではないか、と思われる。


この後に続く文章を読むと筆者は広域国家連合、すなわちEUを国民国家に代わる新たな基軸として認識しているように読めるが、実際は2011年のソブリン危機の際英国紙the Economistに掲載された記事にはこんな一文がある。

the yoke of the single currency is a barrier to recovery

この一文が示唆するのは統一通貨ユーロとECBによるオペレーションはEU域内各国家の現実を反映した為替レートの設定や経済政策の策定を阻害しており、これが欧州ソブリン危機の根幹にあるという認識だ。昨今欧州大陸国家でナショナリズムが高まり極右政党がじわじわ台頭してきている背景にはこのような事情がある。


ともあれ本書は多くの点で示唆に富んでおり、初版から実に20年近く経過した現在でも未読であれば一読に値する本である。


あ、あとInstapaperにちょろちょろソブリン危機関連の記事が残っていて、三年前の自分は思ったより頑張っていたんだなぁとか思いました(こなみ)。全然役立ってないですけど。

2014年5月27日火曜日

あさりよしとお『まんがサイエンス2 ロケットの作り方教えます』

御坊の生放送見ていたらあさりよしとお氏のまんがサイエンスシリーズが話題に上り、面白いと評判だったので買って読んでみました。で、これが評判通り大変に面白いマンガでしたので「こら記事書かんとなぁ」と考えた次第です。

放送内で出ていたのは最新刊の話だったのですが、まだkindle版は発売していないのですよね。ほんでちょうど今僕が『キャプテン・アース』を見ていたこともあり、どうせならロケットについて学んでみましょうと。で、まんがサイエンスシリーズの二巻『まんがサイエンス2 ロケットの作り方おしえます』をkindleでさくっと購入。

タイトルに「ロケットの作り方教えます」とある通り、この巻は引力の基本的な概念から大気圏外に脱出するために必要な加速度、それを達成するために要求されるロケットの構造から月への行き方に至るまで、ロケットを理解するために必要十分な知識を平易な表現を用いて丁寧に解説してくれます。

ロケットが宇宙に行くための装置である以上最初に引力の解説をしなければならないのですが、いかんせん引力って概念は理解しにくく、現行の教育制度において物理学は高等教育課程での学習科目となっております。でもこのマンガは小学生向けですから、「ヨーデルヨーデルヨーデルヨーデル♪」って嬉しそうに踊ってるその辺のガキンチョも理解できるよう解説せにゃならない。



あ、全然関係無いけど妖怪ウォッチって人気なんですね。

バンダイ、「妖怪ウォッチ」のメダル増産 ゲーム人気受け(日経5/9)
メダルは今年1月に発売。3月末までに700万枚を売り上げ、品切れが続いている。時計玩具も同10万個販売。品薄で増産を計画している。2015年3月期は関連商品の売上高が約70億円になる見通しだ。

定価5000円のゲーム80万本売って、3200円の時計玩具10万個売って、190円のメダル700万枚売って、さらに増産ですよ。景気の良い話です。手頃な価格で家計からちゅうちゅう娯楽費吸い上げるって考えるとなんか蚊みたいなコンテンツですねw
いろんな場所にお金が行き渡るのでこうしたヒット商品が出ることは業者にとっては良いのでしょうね。


で、話を本筋に戻しまして、たとえば引力の解説はこんな感じで為されてる。






(『まんがサイエンス2 ロケットの作り方教えます』p.22-24より)

秀逸だと思いません?ロケットを飛ばすのに必要な知識だけ上手に取り出して解説してる感じ。僕理数系からっきしなのですが、これなら分かります。僕みたいな数式ダメダメ門外漢のポンポコピーにとってはこうして平易に解説していただけるのが有り難い。

加えてロケットの構造の歴史的な試行錯誤についても触れられており、ツォルコフスキー、ゴダート、オーベルトといった聞き慣れない名前からV2ロケットのフォンブラウンまで各人の成果が詳細に述べられており、ロケット開発史概観としてもなかなか有用なのです。

と、いうわけでマンガだからと言って侮るなかれ、なかなか読み応えのあるロケット本でありました。

そういえばこのシリーズは左開きの横書きなのですが、これ学研のマンガはえてしてこういうものなのでしょうかね?恐らく学術書を意識してのことだと思いますが。


2014年5月26日月曜日

アニメオタクの分類

中に居る人には自明の理だけど、外に居ると分からないのがアニメオタクの種類なんですよね。鉄道オタクが撮り鉄、乗り鉄、音鉄、時刻表鉄みたいな分類があるのと同様、一口にアニメオタクっても色々おります。

で、僕の独断と偏見の下に大きく分けると6種類に分類できると思うのですよね。ある程度クロスオーバーしているとは思いますが、

  • 脚本オタク
  • 作画オタク
  • 背景オタク
  • 声優オタク
  • BGMオタク
  • 演出オタク

に分類できるんじゃないかなぁと。わりと無理矢理な分類ですけれども、一つづつ見て行きましょうか。


脚本オタク

文字によって表現できる項目にウエイトを置くタイプです。僕の中ではエヴァンゲリオンの謎本を出したり、二次創作をしちゃう人、キャラグッズに手を出す人達がこの分類になりますね。このタイプの人は映像を文字に置き換えた際、文字に引き摺られる形で作品世界を敷衍する傾向にあると思います記号に惹かれるタイプと表現すると僕の実感により近いです。



作画オタク

「このシーンを描いたのは誰かな?」と考えているようなタイプです。よく「作画が良い」「作画が悪い」なんて表現が用いられますけれども、この辺りの認識から一般人とは違います。ドラッグ系の作画を指して「作画崩壊」なんて声高に叫ぶ方も居らっしゃいますけれども、そういった輩は作ヲタにバットで顔面ホームランされるのですね。作画オタクが重視するのはあくまでアニメーターのテクニックです。後述する演出オタクと作画オタクでは被る部分もありますが、物語を意識するか、しないかという違いがあると思いますね。



背景オタク

アニメにおける美術の仕事を重要視するタイプです。例えば実写映画において、部屋に配置される調度品を選定するのは美術さんのお仕事かと思いますが、アニメにおいておんなじ役割を果たすのが背景さんです。映像にリアリティを添付する上で欠かせない要素なのですね。「聖地巡礼に行きたくなる」というのは背景さんのお仕事が丁寧であった証左です。設定本を欲しがるのも、此方に分類されるかもしれません。所謂日常系アニメや硬派と呼ばれるサスペンスが好きな方は、無意識に背景さんの仕事を重視するきらいがあるかと存じます。背景なんて「あって当然」と思いがちなのでオタクというほど固定客は付きませんが…



声優オタク

画面上に声の演技しか反映されない以上アニメにおいてあまり重要な要素ではない(重要でないとは言ってない)と考えますが、この分野で見るアニメを決める方ってのも居らっしゃいます。銀幕スタアのおっかけという印象ですね。アニメのイベントに足を運んだり、アニメイトに足を運ぶのは脚本オタクか声優オタクじゃないかなぁなんて思ってます(種類にもよりますが)。



劇伴オタク

少数派ですが誰が劇伴やってるかで見るアニメを判断する層が存在します。人気のある所だと菅野よう子、岩崎琢、澤野弘之、梶浦由記辺りでしょうか。放送前劇伴に誰が抜擢されているかでお金のかかり具合ですとか、方向性をある程度推し量ることが出来たりします。僕もわりとそうなんですがアニメそのものはイマイチだけど劇伴が好きでCD買って聴いてる場合とかありますよね。



演出オタク

アニメを見て「何故こんな撮り方をしているのか?」と考えている連中です。一般人からすると作画オタクと演出オタクで区別がつきにくいかもしれませんが、前者がキャラクターの動作やエフェクトを重視するのに対し、後者は画面のレイアウトやカット同士の繋がりを重視します。また物語を意識しないか、するかというのも、作画オタクと演出オタクの大きな相違点です。ただ作画オタクも芝居を突き詰めていくと演出論まで到達しますので、本質的にはあまり変わらないのかもしれません。
追記:コメントでご指摘頂いた通り、BGの入れ方や台詞のタイミング等も演出の範疇に入ります。






以上六種類、皆さんはどの傾向が強いですか?どんな方でもある程度それぞれの素養を持っていると考えますが、こうして分類してみると中でも「これ!」ってのがあると思います。各カテゴリに優劣はありませんが、分類上間口を大きく取ってある脚本オタクが最大派閥になるのかなぁと。

まぁ仕掛ける側も恐らくこんな感じの分類が念頭にあって、どういった客層にアピールしていくかみたいな所を考えながらアニメの構成やメディアミックスを仕掛けていくので自分がどの層に属するのかってのを予め考えておくとアニメライフがもっと楽しくなると思います

2014年5月25日日曜日

おさわりに

主に「ブロマガはアフィが貼れない」という理由で始めたブログです(直球)。

だってニコニコ市場のフレームってなんかカッコ悪いですし、何よりニコニコ運営がシステマティックにアフィ代掻っ攫うシステムが嫌です。動画の下についてる市場で十分だろうと。

と、いうことで読んだ本とか紹介するならこっちかなぁと。

別に此方の記事はあちらにも書きますし、どちらかに誘導したりといったことも今のところは無いと思います。プロフにアドレス置いておく位のことはしますけど。

基本的に此方は僕個人の日記に近くなるのではないかと思います。ブロマガはそれなりに考えて記事起こしておりましてけれども、これからはそう時間も取れないでしょうし、備忘録的な作業は此方にしようかなと。

後はセジティブな話題が此方になると思います。