2014年5月30日金曜日

「高速道路を無料化します」とか言い始めたのって小泉政権じゃねぇの?


高速道の有料期間、15年間延長 改正法が成立(日経)


この件で民主党政権を責めてる人居るけどそれ違わね?


いや確かに実験的に一部無料化されたのは民主党政権時だったけどさ、そもそも論としてフリーウェイやら持ち出して「将来的に無料化します!」とか言って人気取りしたのは道路公団民営化の時じゃんって話。で、民営化を推進して現在の機構を作り上げたのは自民党です


この辺り僕が大学時代に選択してた交通論の熱血教授が烈火の如く怒っていたのでなんとなく憶えてるんですわ。「こんな馬鹿馬鹿しい話はない!」みたいな。あ、ちなみに期末テストで自己評価の項目があって、「自分は不出来だったと思います」って内容を正直に書いたら単位くれた昔気質の教授でした(出席日数は足りてたよ!)。


つか普通に考えて無料で提供されるインフラなんてのはあり得ないわけで、何処かで収支が均衡してなきゃならないわけです。件のフリーウェイだって結局整備のやら保守やらの財源は道路利用者税という形で徴収してますし、近年は受益者負担という形での見直し機運が高まってます。(『米国の道路財源政策-租税から通行料金へ-』古川浩太郎)


ただ「やっぱり道路は無料でなくちゃ。」ってことで無料化する方向でお話が進んでいく。当時は新自由主義的と言いますかなんでも民営化の時代でしたから、じゃあ道路公団も民営化して業務を合理化しましょうってお話になったのです。


ですから、「道路公団を民営化しましょう」っていうのは野放図な高速道路延長計画を見直して無駄無く道路の補修・管理をやっていける土台を作りましょうねってお話だったんですよ、国民にとっては。ほんで道路公団民営化推進委員会(松田案)はそういった視点に立った提案をするわけです。でも、通らなかった。どうなったかと言うと完全な骨抜きですね。この辺りは地味に櫻井よしこ女史がいいこと書いてます。


「猪瀬直樹氏の“大反論”に反論する,それでも道路公団改革は失敗」


形の上では民営化され、45年期限で償還、無料化されますよ〜とはなってますがこれもハナから無理筋なんです。だって道路会社にインセンティブが働かないんだもん。ダラダラ作っててもお咎めナシ。この辺りは民営化方針決定後の国立国会図書館の刊行物、参議院の国土交通委員会調査室の刊行物と併せて、首相官邸のサイトで公開されてる当時の川本委員(松田案を支持、2003年推進委員を欠席)の資料を読んでいただけるとなんとなく理解できるかと思います。



道路公団民営化のゆくえ―民営化法案の論点―


道路関係四公団民営化の検証


2002.11.12 川本裕子資料



結局民営化のための民営化だったのですよね。其処には国民に対して安心安全な交通インフラを提供しよう、なんて理念は無いです。もう決まっちまった事項ですしこういった議論を今更蒸し返すのもアレですけど、どっかで修正すべきじゃない?って思いますよね。

0 件のコメント:

コメントを投稿